「管理職教育・育成のエキスパート」

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   テーマ 121 新しい時代は、管理職者として飛躍のチャンス
         

■管理職者としてVUCAの時代においての強化項目

これからの時代は、VUCAが常態化すると言われております。
VUCAは下記の4つの言葉の頭文字をとったものです。
「Volatility」(変動性:変化が激しく不安定)
「Uncertainty」(不確実性:問題や出来事の予測がつかない)
「Complexity」(複雑性:多数の原因や因子が絡み合っていること)
「Ambiguity」(曖昧性:出来事の因果関係が不明瞭で前例もない)

「環境変化のスピードや複雑性、不確実性増が増し、
 将来の予測が困難な状況」
が常態化すると考えることができます。

VUCAの時代をむかえて、
管理職者には、下記のような力が一層求められます。

1.品質のよい情報の収集力を強化する。世界の情報に貪欲になる

 ・管理職者は情報が一番得やすいポジションであることを再認識する。
 ・お客様との最前線で仕事をしているので、
  お客様の情報が手に入りやすいことを再認識する。
 ・お客様、業界、会社、部下などの情報に関して
  品質のよいものを集める方法を考え実践する。
 ・担当業務に関する業界や技術、商品情報に関して
  常に最新の情報を集める方法を考え実践する。

2.現状把握力、観察力を強化する。
  今得た情報や起きたことの原因、理由を考える

 ・お客様は今何を望んでいるのか、それは何故かを把握する。
 ・お客様は本来何を望むべきなのか、それは何故かを考える。
 ・競合企業は何をしているのか、それは何故かを把握する。
 ・競合企業は何を考えているのか、それは何故かを考える。
 ・社会の出来事、業界の出来事を意識的にとらえ、
  どういうことなのかを考えてみる。
  なぜこういうことが起こるのか、
  こういうことになるのかを考えてみる。

3.仕事を創造し、新しい現実(新たなお客様、新たな売上・利益)を
  つくっていく突破力を強化する。自分の考え意見を必ず持つ

 ・「VUCA(ブーカ)」といわれる状況において、
  企業が生き残っていくためには、
  「自ら新しい現実(新たなお客様、新たな売上・利益)を生み出し、
   環境に働きかけ、自ら環境をつくりだしていく」
  ことが、現実的な最善の対応策であることを認識する。
 ・現状の問題点を解決させるだけではなく、
  新しい付加価値が強く求められる時代であることを再認識する。
 ・管理職者は、自分の担当部署、自分の業務に関する
  今後のあり方について、自分の考え、意見を持つことが
  非常に重要になってきていることを自覚する。
 ・気づいたこと、ひらめいたことを理論建てて
  話ができるように考えを練る。
 ・常に今、行うべきことはないのかを考え、
  あればすぐ実行するための手順、方策を考える。

4.説明する力、納得させる力、チームを動かす力を強化する。
  上司、部下、同僚に自分の考えを話す

 ・「まわりの環境や職場の現状を踏まえて、管理職者として
   どうすべきなのかを考え抜いて目標を設定する。
   その目標を上司や部下に説明し、納得し、賛同してもらい、
   率先垂範してまずは行動し、試行錯誤しながら、
   期限までに何がなんでも目標を達成する」
  というのが、VUCAの時代の管理職者のあり方であることを認識する。
 ・専門能力に裏づいた意見、説得力、納得力が
  必要であることを認識する。
 ・そのためにも専門分野の日頃の勉強が必要であることを認識する。
 ・人に話を伝えるときは、内容はもちろん熱意も必要なことを
  理屈として認識する。
 ・人に話を伝えるときは、メラビアンの法則にもあるように
  言葉より態度が重要であることを認識する。
  *アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが1971年に提唱した法則。
   人と人とのコミュニケーションは、態度や身振りなど、
   身体から受ける情報が55%、声の大きさや抑揚など、
   言語ではなく音声から受ける情報が38%、
   言語そのものから受ける情報が7%とされている。

5.粘り強い実践力を強化する。実際に実践してみる。
  やってみる。トライアンドエラーする

 ・過去の経験、実績が必ずしも通用しない時代、
  行ってみなければ分からないことを認識する。
 ・まずは行ってみる。実践ありきの取り組み姿勢が
  重要なことを認識する。

6.部下を育成し、部下の言動をより優れたものに変えていく力を強化する

 ・リーダーシップ論の第一人者であるニューヨーク州立大学ビンガム校の
  心理学者バーナード・バス氏によるリーダーシップの定義。
  *リーダーとは「変化」を与える人、すなわち他者に対して
   (その他者がリーダーに影響を与える以上に)、
    影響を与える人のことを指す。
   グループ内のある人が他メンバーのモチベーション・能力を
   修正する時、それをリーダーシップという。
 ・目標を定め、期間を決め、部下を育成し、部下の言動を変えて
  いくのが管理職者の仕事であることを認識する。

■あたりまえのことを徹底するのが、レベルアップになる  

今までとは異なり新しい時代をむかえ、
管理職者としてレベルアップを図ることが必要です。

上記6項目は、管理職者としてあたりまえのこととも言えますが、
厳しい時代をむかえ、あたりまえのことを確実に徹底して行うことが、

レベルアップを図るには最良の方策となります。

あたりまえのこととはいえ、実際に実践するのは、
非常に難しいことです。

しかし、大きく飛躍するチャンスともいえます。